津川友介先生×シェフ兼子大輔 コラボ決定記念対談(2)

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「究極の食事」を個人的に取り入れてみて…

シェフ兼子:津川先生の本を読んで、レシピアンドマーケットの「10種の野菜のサラダ」の大きなサイズにローストチキンの惣菜を添える、という組み合わせを試してみたところ、すっかり気に入り、週に何度もランチに食べています。

津川先生:「10種の野菜のサラダ」とローストチキンの組み合わせ、私も先ほど美味しくいただきました。栄養バランスも理想的で素晴らしいと思います。本にも書きましたが、ナッツやオリーブオイルを多く食べていると、脳卒中やがん、糖尿病の発生確率が下がることが研究で示唆されていますので。

シェフ兼子:あくまでも私個人の感覚ですが、満足感はしっかりあるのに、ご飯ものなどをたっぷり食べた後のようなぼーっとする感じがなく、午後仕事をしていても、頭も体も快調に感じます。

津川先生:白い炭水化物(精製された炭水化物のこと)のご飯ものなどをたっぷり食べた時には血糖値が急上昇するのですが、その後はインスリンが大量に分泌されて逆に一過性に低血糖になります。おそらくそれで、頭がぼーっとした感じになるのでしょう。

「究極の食事」が目指しているのはあくまでも中長期的に健康を保っていただくことですが、実際に本でおすすめしているような食事をお召し上がりいただくと、2週間ほどで体調の違いを感じられる方も少なくないようです。

ちなみに、実践していただいた読者の方から、我慢していないのに自然に体重が落ちたというご報告を複数いただいています。「究極の食事」の目的はあくまでも健康であって決してダイエットではないのですが、結果的に。また、茶色い炭水化物(精製されていない炭水化物のこと)に切り替えていただくと、便秘などのお悩みはかなり減るようですね。

シェフ兼子:そう言えば、私自身も津川先生の本を読んで食事を意識するようになって以来、2キロほど自然に体重が落ちました。

私の身長でもっとも病気になりにくい体重が66.6キロだというので、上回ったら食事制限をしてこの体重を維持してきたのですが、特に食事制限をせず、気がついたら減っていたというのは初めてです。

正しい知識を踏まえた「意識的な選択」が大事

シェフ兼子:津川先生ご自身は、普段どのような食事をされているのですか?

津川先生:基本的には本にも書いた健康に良い5食品は意識して食べるようにしています。私の住んでいるアメリカでは、ボリュームのあるサラダなど、野菜果物がたっぷりと取れるような食事は日本よりも買いやすいように感じます。

と言っても、私自身、健康に良いものだけ食べて、健康に悪いものは全く食べない、というわけではありません。たとえば牛肉や豚肉などの「赤い肉」は、本にも書いたように、複数の信頼できる研究によって健康に悪いとわかっている食品です(注1)が、私自身も時には、焼肉やステーキが食べたいと思い、友人や家族と楽しみに出かけることもあります。ただ、食と健康に関する体系的な知識を得る前と比べて、赤い肉の全体的な摂取量は減っています。

シェフ兼子:なるほど。普段の食事では健康を重視されつつも、時には美味しさを重視する食事も楽しまれているということなのですね。

私も牛肉なども好きなので、津川先生も全く召し上がらないわけではないと知り、少し安心しました(笑)。

津川先生:人生の楽しみとして、時には健康重視の食事の代わりに、美味しさ重視で例えば焼肉を食べに行くのは、納得ずくの選択として良いと思いますし、私自身も時々しています。ただ、例えば日常の食事で、牛肉でも鶏肉でもどちらでも構わないなと思う場合…人生ではこういう場合がかなり多いと思うのですが…に、知識がないばかりに、無意識に健康に悪い方を選び続けてしまい、将来病気になってから後悔するというのでは、あまりに残念だと思います。

消費者の方が正しい知識を踏まえた上で、日々の食事を意識的に選択していける世の中にしたい。これが、私が「究極の食事」の執筆を通じて実現したいことです。

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健康を新たな軸に、より大きな喜びを生みたい

シェフ兼子:私たちも、具体的なヘルシーメニューの提供を通じて、津川先生の目指す正しい知識の普及に少しでも力になれれば嬉しいです。

今回津川先生のお力をお借りして「ヘルシーメニュー」に取り組もうと思ったきっかけの一つは、少し前に「Room to Read」というNPO(注2)の創業発展ストーリーをYou Tubeの映像でみて、とても感動したことです。

映像を見て感じたのは、生み出している喜びの総量が桁違いというか…。感動すると同時に、自分ももっと何かできないかと考えさせられました。レシピアンドマーケットでも、美味しいものを手軽に買って帰れる喜びをお客様にご提供しているという手応えはあるのですが、それ以上にもっと大きな喜びを生み出したり、青臭い言葉ですけれど、もっと世の中に貢献できることは何かないのかと。

会社が大きくなったらやりたいと思うようなことを、この際今からやってしまおう、というような話を経営チームでしました。

社内でアイデアを出しあってブレストをしている中で、「食を手がける以上、健康は一つの大きなテーマ」「国民医療費が今や40兆円を越え、さらに増加が見込まれる中、これをどう賄っていくかが日本の大きな課題。健康維持に貢献することで、ひいては医療費削減にも貢献できたら」といった方向性が出てきたんです。

私自身がこの方向性にしっくりきた理由は二つあります。食を通じた健康維持への貢献、というテーマであれば、本業の傍の慈善活動ではなく、本家本丸の事業直結ですから、本腰を入れて世の中に大きく貢献できる可能性があるのがまずいいなと思いました。また、タイミング的にも、ちょうど人間ドックで血糖値が高いという結果が出て、健康管理について個人的にも危機感が高まっていて、確かにそれは大事だと身をもって感じたのも大きかったです。

実は、津川先生の本以外にも、ベストセラー、ロングセラーの食と健康に関する書籍は経営チームがかなりの数読んだのですが、「究極の食事」に一番説得力があると感じました。そこで、津川先生に共同開発をご相談したという経緯なんです。

津川先生:それは素晴らしい志ですね。私自身もとても共感しますし、ぜひお力になれればと思います。

シェフ兼子:ありがとうございます。とても心強く思っています。ぜひ宜しくお願いします。

津川先生、今日はお忙しい中、貴重なお時間を本当にありがとうございました!ヘルシーメニューの開発に向けて、引き続きどうぞよろしくお願いいたします!

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注1)津川先生による解説:「牛肉や豚肉などの4本足の動物の肉(『赤い肉(レッドミート)』と呼ぶ)は大腸がんのリスクをあげるという研究結果があるので控えていただいた方が良いのですが、鶏肉や鴨肉は大丈夫であるとされています。」

注2)Room to Read は途上国に本や教育機会を提供している、2000年設立の世界的なNPO。マイクロソフトで要職についていたジョンウッド氏が個人的な旅行でネパールの学校を訪れた際、本がほとんどないことに愕然として、知人友人に呼びかけて個人的に本を贈与したのが活動の原点。これまでに1000万人を超える子供達の教育機会改善に貢献。

 

対談日・場所:2018年6月21日 東京都南青山 L’AS/CORKにて

書き手:RECIPE&MARKET 上山

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