UCLA医学部助教授(医師)の津川友介先生による「世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事」(以下「究極の食事」)、日々の食事を提供している私たちとしては見逃せないと、早速拝読しました!

「究極の食事」の内容を一言でまとめると、複数の信頼できる研究結果から一貫して「健康に良い」と考えられるのは、①茶色い炭水化物(玄米や全粒粉など)、②野菜と果物、③魚、④オリーブオイル、⑤ナッツ、の5つ、というものです。
主張自体はシンプルなのですが、世に数多くある食と健康に関する書籍の中でも、津川先生の「究極の食事」は特に次の3点が素晴らしいと感じ、とても感銘を受けました。
まず第一に、そもそも何をもって「健康的」とするかの判断基準が明らかにされていて(詳しくは後述)、その基準に「確かにそれは大事」と思わせる圧倒的な説得力があること。
第二に、その基準に基づいてある食べ物が健康に良いとか悪いとかの結論だけではなく、そう判断する根拠(=専門家による研究結果)も明確に示されていること。しかも、根拠ある情報発信自体は他にも多くあるので、こちらがより重要なのですが、複数の研究結果を総合的に踏まえたうえで、「どのぐらいの確からしさで健康に良い/悪いと言えるのか」と言う、「確からしさのレベル」まで解説していること。
第三に、専門的な研究の内容を踏まえつつも、結論としてはとても具体的でシンプルな提案がなされていること。単なる知識獲得に終わらせず、これなら実行できるし是非してみたい、と人を動かす力のある情報発信だと感じました。
以下、素晴らしいと思った3点(1:意義ある目的設定、2:根拠とそのレベルの明示、3:実行可能性の高さ)について、より具体的に書いていきたいと思います。
1、何を持って「健康的」とするか:
この本で津川先生は、「健康に良い(=脳卒中、心筋梗塞、がんなどのリスクを下げる)」と明確に定義(28ページ)したうえで議論を展開されています。例えばですが、「とにかく楽に早く痩せたい!」などといった目的設定ではなく、最終的なゴール設定が、多くの人が重要と思うであろう「3大疾患の発生リスク低減」に設定されているところにまず大きな説得力があると感じました。というのも、がん、心臓病、脳卒中は永らく日本人の死因上位を占めています(下表)。

直近確認可能な2016年のデータでみると、日本人の死亡数と死亡数全体に占める割合は、多い方から順に、①がん:37万人(29%)、②心臓病:19万人(15%)、③肺炎:12万人(9%)、④脳卒中:11万人(8%)。「究極の食事」が予防を目的としている、がん、心臓病、脳卒中の3つの病気の合計で実に52%と死因の半分以上に上ります。
この3つの病気になりにくい生活を送ることは、現代日本人にとって明らかに、長く健康に生きていくための大きなポイントと言えそうです。
なお、「究極の食事」では、糖尿病予防については明確なゴールの一つとして冒頭で触れられてはいませんが、本の中では、様々な食品の糖尿病の発生確率への影響に関する研究結果も複数紹介されています。この点について津川先生ご自身にお伺いすると、「糖尿病自体が直接の死因となることはなく、糖尿病により心臓病や脳卒中になりやすくなることが問題であるという整理から、3大疾患と並べては書きませんでしたが、本自体は糖尿病予防についても考慮して書いていると思っていただいて差し支えありません」とのことでした。
次回は、素晴らしいと思ったポイントその2、「根拠」について書きたいと思います!
文責:RECIPE&MARKET 上山
今日、初めて、玄米とチキンのリゾットを頂きました。ナッツ、玄米、きのこなどは、硬さもあり、食感が最高でとても美味しく食べることが出来ました。
また、次回も食べたいと思います。
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